秋保氏の分家で馬場村を支配した馬場氏の3代定重が、それまでの上館から居館を移し築いた館である。 定重は武勇に優れ本家秋保氏とともに伊達氏に主従し、ニロの境界警備に数々の功績を上げている。 名取川と小滝沢の渓谷に挟まれた断崖絶壁の要害という自然地形を生かした平城を築き、 侵入には長さ100mに及ぶ見上げるばかりの巨大な土塁を越えねばならない。現在の馬場「町」の集落は、この豊後館とともに整備されたものであるが、 伊達氏仙台移住により馬場氏は所替えになり、築城後40年余りで廃館となる。